教科研東京大会プレ集会シンポジウム

  <教科研東京大会プレ集会シンポジウム>
地域主権」下の教育改革の批判的検討
─東京・大阪・埼玉─いま自治体の教育で何が起こっているのか─
        主催 教科研東京大会実行委員会・教育科学研究会常任委員会

 教科研2011年8月6−8日の東京大会を控えて、プレ集会を開催いたします。
 今回の東京大会は、この15年間の新自由主義教育改革を検証し、東京の教育、さらには日本の教育がどう変化し、東京の教育の課題がどのようなものであるかを明らかにすることを中心的な課題として準備を進めてきました。そのなかで発生した3・11の東日本大震災福島原発事故は、この危機に対処すべき日本社会が、この間の新自由主義改革、資本と財界の利益追求の論理によって、根本的な脆弱性を抱え込まされ、人災としての被害を拡大してきたことを明らかにしています。
 このプレ集会では、震災の危機に立ち向かう、つながりと希望を見いだす必死の取り組みの中で、新自由主義教育改革がもたらしてきた教育の格差・貧困の拡大、つながりを破壊して競争に子ども・若者を追い込んでいく教育の進行とその矛盾を深く検証し、安全と安心、生存権保障と相互援助、未来への希望の道を拓く教育の責務をあらためて探究していきます。
 東京をはじめとする首都圏、大阪などで進行している「地域主権」下の「自治体教育改革」の下で、地方政治による乱暴で、統制的な「教育改革」が進められ、学校教育の仕組みや学校現場が大きく変貌しつつあります。東京では、国旗・国歌の強制を突破口にして、強権的な学校管理、教師管理が導入され、教師に対する成果主義管理、学力テスト体制の形成、高校制度の競争的再編などが急速に進行しました。保育や学童保育、子育ての全体システムが、民営化と自己責任化の方向で急速に再編されつつあります。そしてそれらの政策が、選挙時に首長などが掲げるマニフェストの実施であるとし、あたかも住民の意思の実現過程であるかのようにして、自治体職員や教職員を縛りつつ強権的に推進されていくという公共性の論理が流布しています。
 グロ─バル化のもとでの社会の新自由主義的改変の中で引き起こされている社会的な危機、格差・貧困の拡大、若者の社会参加と就労の仕組みの破壊、セーフティーネットの剥奪による孤立と社会排除の拡大、危険を押し隠した原発の拡大、地域の崩壊等々─これらの震災を人災として拡大している事態を深く解明し、平和で持続可能な経済や政治、労働や生活の有り様をどう作り出していくか、教育はそれにどうかかわっていくべきかが問われています。
 日本社会の危機と学校教育の危機との連動の中にあって、このプレ集会としてのシンポジウムでは、この趣旨の下、東京、大阪、埼玉から報告を受け、また首都圏の各地からも問題を持ち寄っていただき、「地方分権」、「地域主権」下の教育改革の問題点を明らかにし、新しい教育実践と教育運動のあり方を、地方自治、住民自治、教育の自由の視点から考えていきたいと思います。
 多くの方々の参加をお待ちしております。
報告者とテーマ
1.中田康彦(一橋大学新自由主義下での「地域主権」教育改革の基本性格と問題点
2.工藤芳弘(都教組書記長)東京都の教育改革の現実と教職員の困難
3.河野伸江(全国学童連協副会長)埼玉における学童保育の変化と今日の課題
4.門晶子(大阪市、小学校教員)大阪の教育改革の現実と教育実践の課題

○日時 2011年6月25(土)午後2時〜6時
○会場 法政大学冨士見キャンパス55年館531教室
    JR中央線飯田橋徒歩7分)下記のサイト参照。1の建物3階です。
   (http://www.hosei.ac.jp/campus/ichigaya/index.html
○資料代として500円をお願いいたします。